皆さんは歯周病にも分類があることをご存知でしょうか。歯周病の分類は現在まで幾度となく見直しがありましたが、2017年にアメリカ歯周病学会とヨーロッパ歯周病連盟で新分類が発表されたので今回は新分類の説明を行おうと思います。

新分類には歯周病にステージとグレードという分類が行われるようになりました。以前までの分類は現在の歯周病重症度しか判断できませんでしたがステージとグレードにより過去から現在、そして未来の歯周病重症度を診断できるようになりました。

ステージとは歯周病の重症度が分かり、グレードは歯周病の進行度が評価できます。

まずステージの説明をします。ステージⅠが一番軽症でステージⅣが一番重症になります。ステージの判断要素は骨がどれだけ溶けているか、歯を何本失っているか、歯茎の溝がどれだけ深いか、骨が溶けていたり歯茎の溝が深い歯が何本あるかによって決定されます。

次にグレードについて説明します。グレードAが一番進行が遅く、グレードCが一番進行が速いです。グレードの判断要素は５年前に比べてどれだけ骨が溶けているか、歯の汚れと骨の溶け具合の関係性、タバコの本数、糖尿病の値などにより決定されます。今回では喫煙と糖尿病が項目に追加されたことが新分類の特徴です。

このステージとグレードの分類により患者様がどのような治療が必要か、またどのくらいの頻度でメンテナンスが必要なのかが判断できます。

歯周病専門医　歯周病、予防、再生療法

山下歯科医院　勤務医　小林明弘